投薬についての一般的な取り扱いについてまとめましたのでご活用ください。
| 番号 | 区分 | 項目名 | 取扱い | 根拠・ポイント | |||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 投薬 | 入院患者への外皮用薬 | 原則認めない | 傷病名または症状詳記が必要。外皮用薬は多種多様であり、症状が類推できない場合は算定不可。 | |||
| 2 | 投薬 | 入院患者への眼科用薬 | 原則認めない | 傷病名または症状詳記が必要。疾患・症状が多岐にわたるため、一律の投与は認められない。 | |||
| 10 | 投薬 | アリセプト(AD病名と脳血管障害併存) | 原則認める | 高齢者では病態が重なることが多く「混合型認知症」の概念も広まっているため。 | |||
| 11 | 投薬 | ピロリ除菌(他院での感染診断あり) | 原則認める | 他院や検診で胃炎・陽性診断がある場合、摘要欄にその旨の記載があれば算定可能。 | |||
| 12 | 投薬 | ペンタサ錠と注腸の併用 | 原則認める | 内服と局所投与(注腸)では大腸内での作用部位が異なるため、併用効果が認められる。 | |||
| 13 | 投薬 | 単なる動脈硬化症へのペリシット | 原則認めない | 適応は末梢循環障害を伴う疾患等であり、単なる動脈硬化症は対象外。 | |||
| 14 | 投薬 | アレルギー性鼻炎へのインタール点眼 | 原則認めない | 点眼液の適応は結膜炎等。鼻炎には点鼻液を使用すべきであるため。 | |||
| 15 | 投薬 | 慢性気管支炎へのセルテクト | 原則認めない | 適応はアレルギー性疾患。慢性気管支炎は通常アレルギー反応起因の病名ではない。 | |||
| 16 | 投薬 | 心室性期外収縮へのノイキノン | 原則認めない | 基礎疾患(心不全等)を伴わない場合は適応外。病名のみでは基礎疾患の判断不可。 | |||
| 17 | 投薬 | H2ブロッカーとPPIの併用 | 原則認めない | 同効薬であり単独で効果が期待できる。難治性でもPPI倍量投与等が優先される。 | |||
| 18 | 投薬 | チャンピックス(ニコチン依存症管理料) | 12週間まで認める | 管理料を算定しない日であっても、一連の治療期間内(12週)の処方であれば算定可能。 | |||
| 22 | 投薬 | バンコマイシン散(MRSA腸炎等以外) | 原則認めない | 適応はMRSA腸炎、偽膜性大腸炎、造血幹細胞移植時の殺菌に特化されている。 | |||
| 27 | 投薬 | ガスモチン等の特定疾患処方管理加算2 | 算定を認める | 慢性胃炎の症状に直接適応のある薬剤(5-HT4受容体アゴニスト)と判断される。 | |||
| 32 | 投薬 | グリニド薬とSU剤の併用 | 原則認めない | 作用点が同じであり、相加・相乗効果や安全性が確認されていない。併用は意味がない。 | |||
| 33 | 投薬 | 配合剤と単剤の併用(持続性Ca拮抗薬) | 用法用量の範囲内で認める | 合計の成分量が添付文書の用法・用量の範囲内であれば、増量等のための併用は妥当。 | |||
| 35 | 投薬 | 肺高血圧病名なしのベラサスLA投与 | 原則認めない | 適応は肺動脈性肺高血圧症のみ。強皮症等の病名だけでは肺高血圧の併存を推測不可。 | |||
| 36 | 投薬 | 1型糖尿病へのグルファスト | 原則認めない | 適応は2型のみ。1型はインスリン分泌が枯渇しており投与効果が期待できず禁忌。 | |||
| 55 | 投薬 | トリプタン系片頭痛治療薬 | 原則認めない | 緊張型頭痛や単なる頭痛は不可。また「定期処方(内服)」としての算定も不可。 | |||
| 56 | 投薬 | ヤーズ・ルナベルの適応外 | 原則認めない | ヤーズは月経困難症のみ(子宮内膜症は不可)。ルナベルも内膜症・腺筋症は不可。 | |||
| 57 | 投薬 | 抗インフル薬の併用・抗菌薬併用 | 原則認めない | 内服2種や吸入+注射等の併用は過剰。二次感染疑いがない抗菌薬併用も不可。 | |||
| 58 | 投薬 | インフル疑いへの抗ウイルス薬 | 原則認めない | 「疑い」への投与は認められない。発症後の「治療」を目的とした場合のみ算定可。 | |||
| 59 | 投薬 | 境界型糖尿病への血糖降下薬 | 原則認めない | α-グルコシダーゼ阻害薬を除き、糖尿病確定前(境界型)への投与は不可。 | |||
| 60 | 投薬 | ヒルドイドの適応外病名 | 原則認めない | 湿疹、蕁麻疹、ニキビ、粉瘤、外耳炎など、効能・効果にない病名への使用は不可。 | |||
| 61 | 投薬 | 扁桃炎へのパップ剤・テープ剤 | 原則認めない | 外用鎮痛消炎剤は運動器疾患用。扁桃炎(内科的炎症)への使用は認められない。 | |||
| 91 | 投薬 | 複数のα1遮断薬の併用 | 原則認めない | タムスロシン、シロドシン等の同効薬併用は、副作用リスク増のため認められない。 | |||
| 92 | 投薬 | トピラマート(トピナ)の単剤投与 | 原則認めない | トピナは「併用療法」が承認条件。他剤との併用がレセプトで確認できないと不可。 | |||
| 93 | 投薬 | 不安定狭心症へのタダラフィル | 原則認めない | ザルティア等。心血管系への重篤な有害事象リスクがあるため、不安定狭心症には不適切。 | |||
| 94 | 投薬 | 脳梗塞のみへの湿布薬 | 原則認めない | 脳梗塞病名だけでは不可。疼痛部位(肩関節周囲炎等)の病名が別途必要。 | |||
| 109 | 投薬 | 過活動膀胱治療剤の併用 | 条件付きで認める | 作用機序が異なる抗コリン薬とβ3受容体作動薬の併用は可。抗コリン薬2種類の併用は作用増強(副作用)の恐れがあるため不可。 | |||
| 110 | 投薬 | 前立腺肥大症薬3種の併用 | 原則認める | α1遮断薬、排尿改善薬、抗男性ホルモン薬は各々作用機序が異なり、併用投与に係る注意等の記載もないため算定可能。 | |||
| 111 | 投薬 | ヘパリン類似物質の算定 | 原則認める | 乾燥性皮膚炎・湿疹、皮脂欠乏性湿疹、乾皮症、皮脂欠乏性皮膚炎に対し、角質水分保持増強作用(保湿)を目的とする場合は可。 | |||
| 112 | 投薬 | 精製ヒアルロン酸ナトリウム点眼液 | 原則認めない | 角結膜上皮障害治療用であり、ウイルス性、細菌性、アレルギー性の結膜炎に対する算定は認められない。 | |||
| 113 | 投薬 | ジクアス・ムコスタ点眼液 | 原則認めない | ドライアイ治療剤であり、ドライアイを伴わない角膜炎、または眼瞼閉鎖不全(兎眼症)に対する算定は必要性が低いため。 | |||
| 163 | 投薬 | 気管支炎へのアズレン口腔用(トローチ等) | 原則認めない | 適応は咽頭炎、口内炎等。気管支炎は下気道の疾患であり、口腔用製剤の効能・効果の範囲外であるため。 | |||
| 164 | 投薬 | 骨盤位・前期破水へのリトドリン(ウテメリン) | 原則認めない | 切迫流産・早産を伴わない単なる骨盤位や、子宮内感染を伴う前期破水等、子宮収縮抑制の適応がない場合は不可。 | |||
| 165 | 投薬 | じんま疹・乾皮症へのリンデロン-V軟膏 | 原則認めない | じんま疹には抗ヒスタミン薬が第一選択であり推奨されない。乾皮症には保湿剤が優先され、ステロイドの必要性は低いため。 | |||
| 166 | 投薬 | じんま疹へのダイアコート・トプシム軟膏 | 原則認めない | じんま疹の治療は抗ヒスタミン薬の内服が主であり、ガイドライン上もステロイド外用薬の推奨度は低いため。 | |||
| 167 | 投薬 | じんま疹へのテラ・コートリル軟膏等 | 原則認めない | じんま疹は感染症を伴う疾患ではなく抗生物質は不要。またステロイド外用自体も一般的治療として推奨されないため。 | |||
| 168 | 投薬 | じんま疹・せつ・乾皮症へのリンデロン-VG | 原則認めない | じんま疹・乾皮症へのステロイドは不適切。せつは膿瘍であり内服抗菌薬が一般的で、外用配合剤の必要性は低いため。 | |||
| 169 | 投薬 | じんま疹への強力レスタミンコーチゾン | 原則認めない | ステロイドおよび抗生物質を含むが、じんま疹において皮膚感染がない場合は抗生物質含有剤を使用する必要がないため。 | |||
| 170 | 投薬 | 気管支炎・肺炎等へのイソジン・SPトローチ | 原則認めない | これらは口腔内・扁桃の炎症用。下気道疾患(気管支炎等)や鼻腔疾患(副鼻腔炎等)に対する有用性は低いため。 | |||
| 171 | 投薬 | 単なる裂肛へのネリザ軟膏等 | 原則認めない | 適応は「痔核(いぼ痔)に伴う症状」であり、痔核を伴わない裂肛(切れ痔)は適応外であるため。 | |||
| 172 | 投薬 | 急性上気道炎等へのオゼックス小児用 | 原則認めない | 小児用の適応は肺炎、中耳炎等に限定されており、咽頭・喉頭炎や術後感染症は適応外。小児・成人ともに算定不可。 | |||
| 173 | 投薬 | 気管支炎・上気道炎へのセレスタミン | 原則認めない | 適応は蕁麻疹、アレルギー性鼻炎等。急性・慢性の気管支炎や副鼻腔炎、中耳炎等への投与は必要性が低いため。 | |||
| 192 | 投薬 | 気管支炎へのシングレア・オノン | 原則認めない | 適応は喘息、アレルギー性鼻炎。気管支炎はロイコトリエンが関与する病態ではないため有用性が低いとされる。 | |||
| 193 | 投薬 | 扁桃炎へのアンブロキソール(ムコソルバン等) | 原則認めない | 適応は気管支炎、副鼻腔炎等。扁桃炎は上気道疾患であり、効能・効果に「上気道炎」が含まれない製剤は算定不可。 | |||
| 194 | 投薬 | サイトテック錠の算定(NSAID併用なし等) | 原則認めない | NSAID長期投与時の胃潰瘍等が適応。NSAID投与がない場合や、逆に潰瘍病名がないNSAID投与時のみの算定は不可。 | |||
| 195 | 投薬 | かぜ・インフルエンザ等へのホクナリンテープ | 原則認めない | 適応は喘息、気管支炎等に伴う気道閉塞。気道狭窄が見られない感冒、咽頭炎、間質性肺炎等への有用性は低いため。 | |||
| 196 | 投薬 | 皮膚潰瘍へのフィブラストスプレー | 原則認める | 部位不問。1日1,000μgを上限とし、月間使用量は「1,000μg × 日数」までを適正な範囲として認める。 | |||
| 224 | 投薬 | アコチアミド(アコファイド) | 原則認められない | 胃・十二指腸潰瘍、胃癌、胃癌術後(全摘)が併存する機能性ディスペプシア | 器質的疾患を除外することが使用条件であり、全摘後も病態が異なる。 | ||
| 225 | 投薬 | ラパチニブ(タイケルブ) | 原則認められない | 単独投与(カペシタビン又はアロマターゼ阻害剤との併用がない場合) | 単剤での有効性・安全性が確立されていない。 | ||
| 226 | 投薬 | ユビデカレノン(ノイキノン等) | 原則認められない | 狭心症、虚血性心疾患、高血圧性心疾患、心臓弁膜症 | 「うっ血性心不全」を伴っていない状態では対象外。 | ||
| 227 | 投薬 | ベラプロストNa(プロサイリン等) | 原則認められない | 静脈血栓症 | 血小板が関与しない静脈血栓には効果が得られない。 | ||
| 228 | 投薬 | ラクツロース/ラクチトール(ポルトラック) | 原則認められない | 肝硬変(高アンモニア血症を伴わないもの) | 「高アンモニア血症」に伴う諸症状の改善が目的。 | ||
| 229 | 投薬 | 糖尿病薬(DPP-4、SGLT2、SU、GLP-1) | 原則認められない | 1型糖尿病(適応のあるSGLT2阻害薬を除く) | 膵β細胞のインスリン分泌を促す薬剤は1型には効果がない。 | ||
| 230 | 投薬 | メトロニダゾール(フラジール) | 原則認められない | レセプトで二次除菌と確認できないヘリコバクター・ピロリ感染症 | メトロニダゾールは二次除菌で用いるため。 | ||
| 231 | 投薬 | PPI(内服) | 原則認められない | 胃癌 | 胃癌による症状を隠蔽する恐れがあり、胃癌そのものへの適応はない。 | ||
| 232 | 投薬 | ラベプラゾール 40mg/日 | 原則認められない | 内視鏡検査がレセプトで確認できない逆流性食道炎 | 重度の粘膜傷害や治癒していないことを内視鏡で確認する必要がある。 | ||
| 233 | 投薬 | アミノレバンEN/ヘパンED | 原則認められない | 肝性脳症がない肝硬変、慢性肝炎など | 効能が「肝性脳症を伴う慢性肝不全」であるため。 | ||
| 234 | 投薬 | マジンドール(サノレックス) | 原則認められない | 高度肥満症(BMI 35以上等)の診断がない場合 | 特定の高度肥満症にのみ適用される。 | ||
| 235 | 投薬 | ゾルピデム(マイスリー) | 原則認められない | 不眠症の傷病名がない躁病 | 躁病の睡眠欲求減少等への有用性は低い。 | ||
| 236 | 投薬 | カベルゴリン(カバサール) | 原則認められない | パーキンソン症候群 | パーキンソン病とは病因が異なる。 | ||
| 237 | 投薬 | メトロニダゾール(内服) | 原則認められない | がん性皮膚潰瘍 | がん性皮膚潰瘍の臭気軽減は「外用剤(ゲル)」の適応。 | ||
| 238 | 投薬 | プロピベリン(バップフォー) | 原則認められない | 前立腺肥大症、尿閉、急性膀胱炎、夜尿症など | 尿閉や前立腺肥大症(排尿困難)には禁忌または治療優先。 | ||
| 238 | 投薬 | プロピベリン(バップフォー) | 原則認められる | 神経因性膀胱(頻尿・尿失禁の記載がなくても可) | 神経因性膀胱の一般的な症状であるため。 | ||
| 239 | 投薬 | 抗アレルギー薬の併用 | 原則認められる | 第1世代+第2世代、抗ヒスタミン+非抗ヒスタミン、作用機序の異なる併用など | 発症機序が多岐にわたるため、重症度に応じた併用が必要。 | ||
| 240 | 投薬 | ウベニメクス(ベスタチン) | 原則認められる | 急性骨髄性白血病(維持強化化学療法剤と併用) | 効能である「急性非リンパ性白血病」に該当。 | ||
| 240 | 投薬 | ウベニメクス(ベスタチン) | 原則認められない | 急性リンパ性白血病、骨髄異形成症候群 | 細胞の種類や病態が異なる。 | ||
| 241 | 投薬 | プロカテロール(吸入液等) | 原則認められない | 喉頭炎、急性気管支炎(成人)、肺炎 | 気道閉塞性障害(喘息等)への適応。 | ||
| 242 | 投薬 | チオトロピウム(スピリーバカプセル18μg) | 原則認められない | 急性気管支炎、気管支喘息など | 慢性閉塞性肺疾患(COPD)への適応。 | ||
| 243 | 投薬 | 広範囲抗菌点眼剤(クラビット等) | 原則認められない | ステロイド点眼剤使用中のアレルギー性結膜炎 | 細菌感染症の発症抑制(予防的投与)は認められない。 | ||
| 271 | 投薬 | H2ブロッカー(内服) | 認められる | 胃炎、急性胃炎、慢性胃炎 | – | 胃酸分泌を抑制し、諸症状を緩和・改善するため。 | |
| 271 | 投薬 | H2ブロッカー(内服) | 認められない | – | 胃癌 | 薬理作用上、直接的な腫瘍抑制作用は認められない。 | |
| 272 | 投薬 | シロスタゾール | 認められない | – | 心房細動、弁置換術後 | 主作用は血小板凝集抑制。心房細動等の血栓抑制には効果不十分で抗凝固薬が一般的。 | |
| 273 | 投薬 | リマプロスト アルファデクス | 認められない | – | 末梢神経障害 | 適応は閉塞性血栓血管炎や腰部脊柱管狭窄症であり、末梢神経障害への適応はない。 | |
| 274 | 投薬 | ドネペジル塩酸塩(適応症) | 認められない | – | 脳血管性型/老年性/若年性/無印の認知症、統合失調症、パーキンソン病 | 適応はアルツハイマー型およびレビー小体型のみ。包括的な認知症病名は不適切。 | |
| 275 | 投薬 | ドネペジル塩酸塩(開始用量) | 認められない | – | 投与開始時からの5mg投与 | 副作用抑制のため3mgから開始し1〜2週間後に5mgに増量する規定があるため。 | |
| 276 | 投薬 | 認知症治療薬(3種) | 認められない | – | レビー小体型/脳血管性型/老年性/若年性/無印の認知症、統合失調症、パーキンソン病 | リバスチグミン等はアルツハイマー型のみ適応。レビー小体型も原則認められない。 | |
| 277 | 投薬 | 認知症治療薬(継続投与) | 認められる | 維持量まで増量しない継続投与 | – | 副作用等で増量が困難な場合、忍容量での投与が認められているため。 | |
| 296 | 投薬 | リーバクト(BCAA製剤) | 認められる | 肝硬変 かつ 低アルブミン血症 | – | 適応は「食事摂取が十分でも低アルブミン血症を呈する非代償性肝硬変」。 | |
| 296 | 投薬 | リーバクト(BCAA製剤) | 認められない | – | 慢性肝炎、劇症肝炎、肝硬変のみ、低アルブミン血症のみ、肝性脳症等 | 単独傷病名や高度進行(昏睡度III度以上等)の場合は効果が期待できない。 | |
| 297 | 投薬 | スタチン製剤(2剤併用) | 認められない | – | スタチン2剤の併用 | 薬理作用(HMG-CoA還元酵素阻害)が同一であり、適切な1剤を選択するのが原則。 | |
| 298 | 投薬 | 5-HT3受容体拮抗型制吐剤(屯服) | 認められる | 抗がん剤投与時の悪心・嘔吐抑制 | – | 悪心・嘔吐の発症抑制に有用であるため。 | |
| 298 | 投薬 | 抗菌薬・イグザレルト・リリカ(屯服) | 認められない | – | 経口抗菌薬、Xa阻害剤、リリカ等の疼痛治療剤 | 薬効の一定期間持続が必要な薬剤であり、臨時的に服用する「屯服」には適さない。 | |
| 299 | 投薬 | オパルモン錠 | 認められる | 慢性動脈閉塞症(バージャー病、閉塞性動脈硬化症) | – | 血管拡張・血流増加・血小板凝集抑制作用があり有用。 | |
| 300 | 投薬 | シロスタゾール | 認められる | 内頸/脳動脈狭窄症、慢性動脈閉塞症、心原性以外の脳血管障害 | – | 脳梗塞再発抑制や、動脈閉塞・狭窄による虚血改善に有用。 | |
| 301 | 投薬 | デュロキセチン(サインバルタ) | 認められない | – | 慢性疼痛(原因不特定)、癌性疼痛 | 適応はうつ病のほか、糖尿病性神経障害・線維筋痛症・慢性腰痛症・変形性関節症に伴う疼痛のみ。 | |
| 302 | 投薬 | ウベニメクス | 認められない | – | 悪性黒色腫 | 適応は「成人急性非リンパ性白血病」の維持療法のみ。 | |
| 303 | 投薬 | ドンペリドン坐剤(小児10/30mg) | 認められない | – | めまい症、蕁麻疹、痔核 | 小児の適応は周期性嘔吐症、乳幼児下痢症、上気道感染、抗悪性腫瘍剤投与時の消化器症状。 | |
| 304 | 投薬 | ドンペリドン坐剤(成人60mg) | 認められない | – | 下痢症、蕁麻疹、痔核、感冒、めまい症 | 成人の適応は胃・十二指腸手術後、抗悪性腫瘍剤投与時の消化器症状。 | |
| 305 | 投薬 | セレベント(単独) | 認められない | – | 吸入ステロイド剤の併用がない気管支喘息 | 喘息治療の基本は抗炎症(ステロイド)であり、単独での使用は推奨されない。 | |
| 306 | 投薬 | 爪白癬治療剤(併用) | 認められない | – | 外用液と内服、または外用液2種の併用 | いずれもエルゴステロール合成阻害であり、作用機序が同一のため併用の有用性が低い。 | |
| 307 | 投薬 | 爪白癬外用液(投与量) | 認められる | 一側の手または足に対し、3月分で6本まで | – | 治験データに基づき、2週間で約1本(3月で6本)が妥当な使用量と判断。 | |
| 308 | 投薬 | 爪白癬治療剤(検査なし) | 認められない | – | 顕微鏡検査や培養検査がない診断確定時 | 直接鏡検等に基づき確定診断された患者に使用するよう添付文書に記載がある。 | |
| 332 | 投薬 | アムロジピン・アトルバスタチン配合剤 | 認められない | – | 高血圧・狭心症のみ(脂質異常なし)、または脂質異常症のみ(高血圧なし) | 配合剤を構成する両方の疾患を併発している必要がある。 | |
| 333 | 投薬 | エナラプリル(レニベース) | 認められる | 高血圧症 + 慢性腎不全 | – | 慢性腎不全患者では半減期が延長するため、慎重な投与量調節下での使用は妥当。 | |
| 334 | 投薬 | 高血圧症配合剤(初回) | 認められない | – | 高血圧症配合剤の「第一選択」としての投与 | 構成薬剤をそれぞれ単剤で同量使用している状態からの置換が原則。 | |
| 335 | 投薬 | イミダプリル(タナトリル) | 認められない | – | 2型糖尿病性腎症 | 適応は「1型糖尿病に伴う糖尿病性腎症」であり、2型には適応がない。 | |
| 336 | 投薬 | フェノフィブラート | 認められる | 高脂血症 +(腎障害 / 肝庇護薬投与中) | – | 禁忌や注意はあるが、定期的な検査・慎重な管理下での投与は有用性が認められる。 | |
| 337 | 投薬 | モサプリド(ガスモチン) | 認められない | – | 下痢症、胃癌、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎 | 適応は「慢性胃炎に伴う消化器症状」。消化管運動促進作用は上記疾患に乏しい。 | |
| 338 | 投薬 | アルツハイマー病に対するリバスチグミン・ガランタミン・メマンチンの算定 | 原則認められる | メマンチンとChEI(ドネペジル等)の併用も原則認められる。 | |||
| 339 | 投薬 | 脳疾患術後等に対するスルピリドの算定 | 原則認められない | 脳疾患術後・逆流性食道炎・胃炎に対する投与は適応外。 | |||
| 340 | 投薬 | ナルフラフィン塩酸塩の算定①(そう痒症なし) | 原則認められない | 透析・慢性肝疾患患者でも「そう痒症」の記載がない場合は認められない。 | |||
| 341 | 投薬 | ナルフラフィン塩酸塩の算定②(併用) | 原則認められる | 透析中のそう痒症に対し抗ヒスタミン剤等との併用は作用機序が異なるため認められる。 | |||
| 342 | 投薬 | 皮膚そう痒症に対するシクロホスファミド水和物の算定 | 原則認められない | エンドキサン錠等の適応疾患に該当しない。 | |||
| 343 | 投薬 | 広汎性発達障害に対するリスペリドン等の算定 | 原則認められる | リスペリドン(3mg錠除く)とアリピプラゾールが対象。自閉スペクトラム症に伴う易刺激性が根拠。 | |||
| 378 | 投薬 | 1型糖尿病に対するチアゾリジン薬の算定 | 原則認められない | 1型はインスリン分泌枯渇状態であり、薬理作用(インスリン抵抗性改善)による効果が期待できない。 | |||
| 379 | 投薬 | うつ病等に対するクロナゼパムの算定 | 原則認められない | うつ病やパーキンソン病にはてんかん・けいれん症状が生じないため適応外。 | |||
| 380 | 投薬 | 抗生剤等の投与がない場合の耐性乳酸菌製剤の算定 | 原則認められない | 耐性乳酸菌(ビオフェルミンR等)は、特定の抗生剤投与時の菌叢改善が目的。 | |||
| 381 | 投薬 | 感冒等に対するロキソプロフェンの算定 | 原則認められる | 添付文書の疾患名に明記はないが、解熱・鎮痛作用が諸症状に有用。 | |||
| 382 | 投薬 | 急性気管支炎に対するチアラミド塩酸塩の算定 | 原則認められる | 下気道の炎症に対しても抗炎症・鎮痛作用が有用と考えられる。 | |||
| 383 | 投薬 | 末梢神経炎に対するトコフェロールニコチン酸エステルの算定 | 原則認められない | 本剤は末梢血管の循環改善用であり、神経の炎症である末梢神経炎は適応外。 | |||
| 384 | 投薬 | 閉塞性動脈硬化症等に対するイコサペント酸エチルの算定 | ①認められる ②認められない | ①潰瘍がなくても有効。②腰部脊柱管狭窄症術後・高血圧・狭心症等は不可。 | |||
| 385 | 投薬 | 慢性動脈閉塞症に対するベラプロストナトリウムの算定 | 原則認められる | 潰瘍を伴わない場合(バージャー病・閉塞性動脈硬化症)でも有用。 | |||
| 386 | 投薬 | 心筋梗塞(安定期)等がある患者へのシロスタゾールの算定 | 原則認められる | 安定期であれば、注意喚起を遵守した上での投与は有用性が高い。 | |||
| 387 | 投薬 | 逆流性食道炎に対するイトプリド塩酸塩の算定 | 原則認められない | 本剤は慢性胃炎の諸症状が適応であり、逆流性食道炎は適応外。 | |||
| 388 | 投薬 | 仙腸関節炎等に対するシクロスポリン内服の算定 | 原則認められない | 仙腸関節炎・巨赤芽球性貧血・関節リウマチはいずれも適応外。 | |||
| 389 | 投薬 | 再生不良性貧血に対するシクロスポリン内服の算定 | 原則認められる | 罹病期間6か月超や投与期間16週超の場合でも有用。 | |||
| 390 | 投薬 | シクロスポリンとミコフェノール酸モフェチルの併用 | 原則認められる | 骨髄移植におけるGVHD発症抑制に対し、異なる作用機序で有用。 | |||
| 391 | 投薬 | 上気道炎等に対するブロムヘキシン吸入液の算定 | 原則認められない | 上気道炎・咽頭炎・感冒は適応疾患に含まれていない。 | |||
| 408 | 投薬 | 硝酸イソソルビド(不整脈等)の算定 | 原則認められない | 本剤は虚血性心疾患用であり、心筋虚血ではない不整脈や心房細動は適応外。 | |||
| 409 | 投薬 | ニコランジル錠(狭心症のない心筋症等)の算定 | 原則認められない | 本剤の適応は「狭心症」であり、それ以外の心筋症や心不全とは区別されるべき。 | |||
| 410 | 投薬 | 潰瘍治療中の患者へのプロピオン酸系抗炎症薬 | 原則認められる | 潰瘍治療薬(胃酸抑制等)を併用していれば、消炎鎮痛目的の投与が優先される。 | |||
| 411 | 投薬 | ヘルペス角膜炎に対する抗ウイルス薬の併用(外用・全身) | 原則認められる | 眼軟膏のみで効果不十分な場合、内服や注射との併用は有用である。 | |||
| 412 | 投薬 | アプレピタントカプセルの投与期間 | 原則5日間まで | 添付文書上は3日間が目安だが、5日間の投与についても血中濃度の安定性・有効性が認められる。 | |||
| 413 | 投薬 | 口唇・外陰部ヘルペスへのアシクロビル内服とビダラビン外用の併用 | 原則認められる | 初感染等で症状が強い場合、内服と外用の併用は一般的。 | |||
| 414 | 投薬 | 爪白癬に対するイトラコナゾールのパルス療法(減量投与) | 原則認められる | 基本は1日400mgだが、必要に応じた適宜減量が認められている。 | |||
| 415 | 投薬 | 胃潰瘍等がある患者へのチクロピジン(パナルジン) | ①出血あり:不可 ②出血なし:可 | 抗血小板作用があるため、出血中の患者は止血困難の危険があるが、出血なしなら有用。 | |||
| 429 | 投薬 | 単なる不整脈病名に対するカルベジロール(アーチスト) | 原則認められない | 本剤の不整脈に関する適応は「頻脈性心房細動」に限定されている。 | |||
| 430 | 投薬 | 低用量アスピリン投与時のPPI(タケプロン・ネキシウム) | 既往確認不可なら不可 | アスピリンによる潰瘍再発抑制目的の場合、レセプトで潰瘍の既往が確認できる必要がある。 | |||
| 431 | 投薬 | チクロピジン(パナルジン等)の適応 | ①②可 ③④不可 | ①冠動脈・脳動脈狭窄、ASO、川崎病、②PCI後などは可。③不整脈、心不全、弁膜症、⑨肺塞栓、④弁置換術後は不可。 | |||
| 432 | 投薬 | アスピリン(バイアスピリン等)の適応 | ①可 ②不可 | ①虚血性心疾患、脳・末梢動脈狭窄等は可。②心房細動、不整脈、心不全、弁膜症、肺塞栓などは適応外。 | |||
| 433 | 投薬 | ASOに対する3剤併用投与 | 原則認められる | EPA製剤、PGI2誘導体、PGE1製剤は、作用機序が異なるためASOの症状改善に併用が有用。 | |||
| 434 | 投薬 | ピロリ除菌薬とH2ブロッカーの併用 | 原則認められない | 除菌にはPPIが含まれており、PPIとH2ブロッカーの併用は原則認められないため。 | |||
| 435 | 投薬 | 再発記載のない帯状疱疹等への抗ウイルス薬 | 原則認められない | 免疫不全のない患者において帯状疱疹等は頻繁に再発しないため、一定期間後の算定は再発記載が必要。 | |||
| 436 | 投薬 | 単純疱疹に対する抗ウイルス薬の併用 | ①可 ②不可 | ①外用+内服/注射の併用は可。②内服+注射の併用は、薬理作用が同様であり過剰投与となるため不可。 | |||
| 437 | 投薬 | 帯状疱疹に対する抗ウイルス薬の併用 | 原則認められる | 外用薬と、内服薬または注射薬の組み合わせは、重症度や治療効果に応じて有用。 | |||
| 438 | 投薬 | 慢性腎不全へのタクロリムス(プログラフ) | 原則認められない | 慢性腎不全は必ずしも免疫が関与する病態ではなく、副作用の懸念もあるため。 | |||
| 439 | 投薬 | 食欲不振(若年・非寝たきり)への成分栄養剤 | 原則認められない | エレンタール等は「消化を必要としない」特別な管理用であり、単なる食欲不振での第一選択は不適切。 | |||
| 440 | 投薬 | 摂食嚥下機能障害への半消化態栄養剤 | 原則認められる | エンシュア等は、消化吸収機能が保たれているが経口摂取が困難な場合の栄養補給に有用。 | |||
| 458 | 投薬 | 胃潰瘍(当月発症以外)へのプロピオン酸系抗炎症薬 | 原則認められる | 適応疾患があり、かつ治療薬併用等で治癒過程にあれば、消炎鎮痛目的の投与を優先できる。 | |||
| 459 | 投薬 | サイトテックとPPI・H2ブロッカーの併算定 | 原則認められる | NSAID使用による潰瘍に対し、作用機序(防御因子増強vs攻撃因子抑制)が異なるため併用可。 | |||
| 460 | 投薬 | インターフェロン+リバビリンの適応 | ①可 ②不可 | ①C型慢性肝炎+肝癌術後は可。②アルコール性、自己免疫性、非代償性肝硬変、肝不全は不可。 | |||
| 461 | 投薬 | プレガバリン(リリカ)の適応 | ①可 ②不可 | ①神経障害性疼痛(坐骨神経痛、帯状疱疹後等)は可。②腰痛症、関節炎、術後痛、侵害受容性疼痛などは不可。 | |||
| 462 | 投薬 | 慢性膵炎へのカモスタット(フオイパン)長期投与 | 原則認められる | 慢性膵炎は長期間の炎症が持続する疾患であり、症状改善のための長期投与が必要。 | |||
| 463 | 投薬 | 単なる膵疾患へのパンクレリパーゼ(リパクレオン) | 原則認められない | 「膵外分泌機能不全」に伴う症状(脂肪便等)への酵素補充が目的であり、適応外。 |
支払基金・国保統一事例:投薬・注射項目の算定基準と医学的妥当性の解説
1. 投薬審査における基本的なスタンス
診療報酬における投薬の審査は、原則として医薬品の「添付文書」に記載された「効能・効果」「用法・用量」に基づきます。しかし、支払基金の統一事例では、単なる形式的なチェックにとどまらず、学会の診療ガイドラインや臨床現場の実態に即した「医学的妥当性」が重視されます。
本資料から読み取れる投薬審査の核心は、**「多剤併用の必要性」「疾患と薬効の整合性」「副作用チェックの妥当性」**の3点に集約されます。
2. カテゴリー別:投薬・注射の算定ポイント詳説
① 生活習慣病・循環器疾患(脂質異常症・高血圧・心不全)
- 脂質異常症治療薬の多剤併用
- 原則: スタチン系薬剤(HMG-CoA還元酵素阻害剤)とエゼチミブ(小腸コレステロール吸収阻害剤)の併用は、原則として認められます。
- ポイント: 単剤で目標値に達しない場合のステップアップ治療として医学的根拠が確立しているためです。ただし、作用機序が重複する薬剤(例:スタチン系2種の併用)は、特段の理由がない限り認められません。
- BNP値に基づく心不全治療薬の調整
- 原則: 心不全の確定病名がある患者に対し、病態把握(BNP測定)に基づき治療薬を調整することは妥当とされます。ただし、検査結果を待たずに漫然と多剤を投与し続けることは、過剰診療とみなされるリスクがあります。
② 泌尿器科疾患(過活動膀胱・前立腺肥大)
- 過活動膀胱治療剤の併用制限(事例109)
- 認められないケース: 「抗コリン薬」2種類の併用。
- 認められるケース: 「抗コリン薬」+「β3受容体作動薬(ミラベグロン等)」の併用。
- 解説: 同系統(抗コリン薬同士)の併用は、口内乾燥や便秘などの副作用を増強させるだけであり、医学的有用性が低いと判断されます。一方、異なる作用機序を組み合わせる「アドオン療法」は、ガイドラインでも推奨されており算定可能です。
- 前立腺肥大症に対する3剤併用(事例110)
- 内容: α1遮断薬 + 排尿改善薬(タダラフィル等)+ 抗男性ホルモン薬(5α還元酵素阻害薬等)の併用。
- 判断: 原則として認められます。
- 理由: それぞれが「尿道の筋肉を緩める」「血流を改善する」「前立腺を小さくする」という異なるアプローチを持つため、重症例における併用には妥当性があるとされています。
③ 皮膚科外用剤(ヘパリン類似物質・ステロイド)
- ヘパリン類似物質(ヒルドイド等)の適応(事例111)
- 認容病名: 皮脂欠乏性湿疹、乾皮症、皮膚炎(乾燥性)など。
- 留意点: 単なる「美容目的」や「保湿目的」での処方は保険適用外です。必ず「乾燥を伴う湿疹・皮膚炎」としての病名と治療実態が必要です。
- ステロイド外用剤の混合処方
- 原則: 異なる強度のステロイドを混合して処方する場合、それぞれの薬剤の必要性と、混合することによる治療上のメリットが問われます。広範囲の皮疹に対して「塗りやすさ」や「濃度の調整」を目的とする場合は認められますが、漫然とした混合は審査対象になりやすい項目です。
④ 眼科用剤(点眼液の適応外使用)
- ヒアルロン酸ナトリウム点眼液(事例112)
- 制限: 「結膜炎(アレルギー性含む)」のみに対する算定は、原則認められません。
- 理由: 添付文書上の効能は「角結膜上皮障害」であり、結膜の炎症そのものを治す薬ではないためです。ドライアイ(眼球乾燥症候群)の病名が併記されていない場合、査定の対象となります。
- ジクアス・ムコスタ点眼液(事例113)
- 制限: 角膜炎や兎眼症であっても、ドライアイを伴わない場合は認められません。
- 解説: これらは涙液の質を改善する「ドライアイ治療薬」であるため、原因疾患がドライアイでない場合は不適切と判断されます。
⑤ 精神神経系薬剤(抗精神病薬・抗不安薬)
- 多剤・大量処方の制限
- 内容: 1処方につき「抗精神病薬3種類以上」「抗不安薬3種類以上」「睡眠薬3種類以上」などを超える場合、精神科継続外来再診料などの減算ルールと連動し、投薬内容そのものも厳しく審査されます。
- 対策: 薬剤調整(切り替え)期間中であるなどの特殊な事情がある場合は、その旨をコメントで明記する必要があります。
3. 注射薬・抗がん剤に関する審査ポイント
- デクスメデトミジン(プレセデックス)の鎮静(事例106)
- 認容: 局所麻酔下、硬膜外麻酔下での手術における非挿管での鎮静。
- 解説: かつては集中治療室(ICU)での使用に限定されていましたが、現在は手術室での局所麻酔下の鎮静目的でも広く認められるよう運用が統一されています。
- 抗がん剤の適応外使用(適応外薬の保険診療上の取扱い)
- 原則: 添付文書にない適応でも、公知申請が受理されているものや、支払基金の「審査において認める医薬品」リストに掲載されているもの(例:特定の固形癌に対する他剤の流用)は、医学的妥当性があれば認められます。
4. 査定を避けるための「実務的対応」
審査事例を分析すると、投薬で査定を受ける主な理由は「病名漏れ」と「過剰投与」です。以下の3点を徹底することが重要です。
- 「症状」ではなく「疾患名」を記載する
- 「喉の痛み」に対して鎮痛剤を出すのではなく、「急性咽頭炎」という確定(または疑い)病名をつける。
- 副作用防止の薬剤には理由を添える
- 強力な鎮痛剤(NSAIDs)による胃荒れ防止のために胃薬を併用する場合、本来は「薬剤性胃炎」等の病名が必要ですが、副作用防止としての必要性が自明であれば認められるケースが多いです。ただし、あまりに高価な胃薬を併用する場合は、具体的な症状の記載が求められます。
- 長期処方の妥当性
- 処方せん料の規定により、特定の薬剤(新薬等)には日数制限があります。これを超えて処方した場合は、システム的に自動で査定されます。
5. まとめ
投薬の審査事例は、単なる「ダメ出し」のリストではなく、**「最新の標準的治療を保険診療としてどう評価するか」**という指針です。
例えば「過活動膀胱の2剤併用」のように、かつては否定されていたものが、医学的エビデンスの蓄積によって「特定の組み合わせならOK」へと変化しています。医師や医事スタッフは、本資料のような統一事例を定期的に参照し、**「現在の標準治療と保険ルールのズレ」**を把握しておくことが、適切な収益管理と患者への還元につながります。
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